張笑梅
(沈陽師范大學外國語學院日語系 遼寧 沈陽 110034)
現在、日本語教育は多様化した學習目的に合う様々な教育の整備が迫られている?;A的な日本語教育の段階では、文法は自分の意志や考えを相手に伝えるというコミュニケーションの基本でもあれば、言語習得のなくてはならない內容でもあると考えられるから、教科書の中の文法事項の內容と配列の方法および文法教育の実態と問題點などについて研究する必要があると思うのである。その中に述語による分類は一般的に 「名詞文」、「動詞文」、「形容詞文」の三種類がある?!复嬖谖摹工蚣婴à?、四種類に分類することもある。その中では述語が動詞である動詞文はきわめて重要な部分である。小論では日本語教育中の動詞文をめぐる文法內容と問題點について述べようと思う。その中では、動詞文の文體、分類、活用などの動詞文と関連する文法內容について説明し、また、動詞文をめぐる日本語教育中の文法用語不統一の問題についても説明しようと思う。
教科書の新出単語の部分には動詞の「辭書體」で表したのに対して、本文の部分には「ます」という形で、動詞の「丁寧體」で表したのである。最初のところは學習者に日本語の文體について何も説明しなくてもいいかもしれないけれども、だんだん簡単に説明する必要が出てくる。例えば、「行く」と「行きます」は同じ意味であるが、「行く」は「辭書體」であり、「行きます」は「丁寧體」であることをまず教える。そして、「辭書體」は動詞の基本形で、「原型」とも言われ、書き言葉に使う文體である。それに対して、「丁寧體」は話し言葉に使う文體であることも教える?!感肖工取感肖蓼埂工芜`いについて説明していない。ただ「ます」を一つの文型としてとらえるのである。
「標準日本語」には、文體について「動詞文」、「名詞文」、「形容詞文と形容動詞文」をあわせて説明したのである。こういうまとまった體系とする説明は必要であるが、最初のところは體系にならない説明も必要である。中國語では一つの単語は二つの形で表すという変形はまったくないから、不思議に思う。日本語の文體は日本語の特徴の一つである?!付庴w」と「辭書體」の區別は日本語初級の學習者にとって不可欠の學習項目になると思う。
日本語文法研究の分類によれば、動詞を「五段動詞」、「一段動詞」、「サ変活用動詞」、「カ変活用動詞」の四種類に分ける。日本語教育の現場で、動詞文を教えるときは必ず學習者に動詞の種類を認識させる。
日本語の動詞の種類を説明すると、次に動詞の活用形の問題がでてくる。日本語の文法理論によると、動詞の活用形には 「未然形」、「連用形」、「終止形」、「連體形」、「仮定形」、「命令形」の六つがある。「未然形」の中にはまた「否定形」と「意志形」の2種類がある。動詞の活用形について、理論的に説明すると簡単であるが、教育現場ではたいへんなことである。教えるときに、まず「五段動詞」「一段動詞」、「サ変活用動詞」、「カ変活用動詞」の連用形が提示されている。 そして、「ます」、「ません」、「ました」、「ませんでした」、「ましょう」の助動詞「ます」の活用の內容がつづく。それから、動詞文の肯定文、否定文と疑問文の表現形式の內容もある。また、自動詞と他動詞の內容および助詞の內容も出る?!竸釉~の音便」を解釈しなければならない。その中には「て形」と「た形」の內容も必ずある。
動詞文をめぐる文法內容はだいたい次のどおりである。
3.1 動詞文の文體(敬體と常體)
3.2 日本語動詞の種類
3.3 動詞の活用形と音便
3.4 動詞文の「現在」と「過去」の時態表現
3.5 動詞文の「肯定」、「否定」、「疑問」の表現形式
3.6 「自動詞」と「他動詞」の區別
動詞文をめぐる內容は以上の內容のほかに、また動詞と関係するいろいろな文型もある。日本語教育では文法を「文型」ということが多い?!富疚男汀?、「構造文型」、「表現文型」などのように「文型」という言葉がさかんに使われている。日本語の文はいろいろな観點から分類する。その中では述語が動詞である動詞文はきわめて重要な部分である。
日本語教育中の動詞文をめぐる問題はいくつかあるが、ここでは文法用語不統一の問題だけについて述べたい。今日の日本語教育では動詞の呼び方も「五段」、「一段」、「カ変」、「サ変」などとはいわず、もっと平易なものを用いるのが普通である。 すなわぢ 「五段」、「一段」、「カ変」、「サ変」をそれぞれ「1グループの動詞」、「2グループの動詞」、「3グループの動詞」と呼ぶ。動詞の種類の言い方が違うだけでなく、動詞の活用形の呼稱の不統一の問題もある。日本語教育で扱う「動詞の活用」は日本語の國語文法とは違った視點をもっている。動詞の活用形の呼稱について、國語文法は「未然形」、「連用形」、「終止形」、「連體形」、「仮定形」、「命令形」という呼稱を用いるのに対して、日本語教育では、動詞の活用形の呼稱について、「ない形」、「意志形」、「ます形」「基本形」、「ば形」などの用語が用いられる。しかし、このような文法用語不統一の問題によって、日本語教育にいろいろな不便をもたらした。教える時はまた「1グループの動詞」は「五段動詞」の意味であるというふうに説明しなければならない。説明しないと、學習者は辭書を引く時には、辭書に書いてある「五段」、「一段」などの言い方がわからない。學習者は同じ意味のものを二つ以上の用語で覚えることになるから、もっと複雑になる。だから、日本語教育の現場では、文法用語の統一ということが要求されている。
以上は日本語教育の動詞文をめぐる文法內容と文法用語不統一の問題についての説明である。いろいろな研究と分析を通じて、関連する問題をまとめたものである。このような研究を通じて、基礎的な日本語教育の動詞文をめぐる文法內容はどのぐらいあるか、どういう順番で配列されたのか、個々の文法事項をどのように説明したらいいか、どのような問題點があるかなどの問題について、はっきりわかるようにしたいと考えた。そして、それに基づいて、教科書の內容と教育の方法を改善しようと思う。
[1]吉川武時.日本語文法入門.アルク,1989年6月.
[2]井口厚夫.日本語文法整理読本.バベル,1994年11月.
[3]渡辺正數.教師のために口語文法.右文書院,1989年11月.
[4]杉崎一雄.國語法概説.有精堂発行,1968年5月.
[5]日本語文法研究會.概説現代日本語文法.桜風社発行,1989年9月.